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読んでいる最中はもちろん、頭の中で再生されるのはあの甲高い声。
伝えることって重要だけど、それ以上に重要なことは自分が伝えたいことがきちんと相手に“伝わっている”ことです。
いくらこちらが伝えたつもりであったとしても、相手に正しく情報が伝わっていないのであればそれは“伝えることができた”とは言えず、ただの自己満足となってしまいます。
「伝える」の一歩先に行くためにはどうしたらいいのだろう。どうすれば「伝わる」のだろうと悩んでいた先に、まさにお手本ともいえる人物の初の自著が出版されたことをうけ、その本を手に取りました。まあ、正確には手に取ったというより電子書籍を購入したわけですけれどもね。
察しのいい方であれば甲高い声でピンとくる人も多いでしょう、ジャパネットたかた創業者の高田明氏がこの自著に記した22年間のテレビショッピング、26年間のラジオショッピングを通じてどのように「伝え続けてきたか」を知ることで、半歩とまではいかずとも、キッカケが掴めたような気がします。
そんなわけで今回はジャパネットたかた創業者高田明氏の自著『伝えることから始めよう』の書評をお送りいたします。
テクニック云々ではない。高田明の歴史を感じる1冊
本書のタイトルだけを見ると、高田明氏の「伝える」という技術に関する内容にも見えますが、どちらかといえば同氏が大学を卒業してからの史実に沿った回顧録といった方がいいでしょう。
「わしは小手先のテクニックが知りたいんじゃい」
というような人には向かない本かもしれません。ただ、そうはいっても一旦読み出してしまうと、そんなことはどうでもよくなるほど高田明氏の人柄を感じられる内容となっているため、一気に読めてしまうと思います。
高田明氏がいかにして創業一代でジャパネットたかたを通販帝国と呼ばれるまでに築き上げていったのか、本書を読むともちろんテクニックも大事だけれど、それよりももっと大事なこととは何なのかということに気づくことができます。
気づくというよりは、多くの人が知ってはいてもテクニックに走る方が楽だからなのか、仕事をするうえで気づかないふりをしているのかもしれないですね。
改めてその「気づかないふりをしている部分」の重要さを説いてくれています。
「伝える」と「伝わる」は違うんです
のっけから本書で何度も登場するキーワードです。
まさにおっしゃる通り。
わかっているようで気付いてすらいないという人もけっこういそう。
[blogcard url=”https://evolbq.com/miscellaneous/difficult-to-tell”]この記事でも書いちゃいますが、上記の記事を公開してから約1ヶ月。少しは成長したかしら。
「ローマは一日にして成らず」
そう、簡単にできれば苦労はしません。だからこれからもいい意味での苦労は重ねていかなくてはいけないなと思うわけです。もちろん、しなくていい苦労は極力しない方向でいきたいですけどね。
ミッションとは「何のために伝えるか」ということです。(中略)
マインドはなにかと言えば情熱ですね。パッションです。伝えたいと思う熱い思い。これが何より大切だと思います。
そうなんですよ。高田氏の言葉からは迷いが一切感じられないんですよね。テレビショッピングのときだってそうでした。わざとらしさを感じないというのかな。本書でもいっている通り情熱を持って伝えようとしていることが感じられるからでしょうかね。興味がなくても耳を傾けようという気持ちになってくるのですよ。不思議なものです。
「何を伝えたいのか」を明確に意識することが、とても大切です。
情熱も大切だけど、情熱さえあればいいというわけではないんですよね。
これを自分に置き換えたとき、万人に伝えようと思っちゃいけないってことかなと思うんです。すべての人に等しく伝えることって難しい。それができるのであればそれは神です。人ではありません。
この一文を僕的に解釈すると、伝えたいことに対するターゲット像を明確にして、ターゲットごとにその伝え方を変えなさいということではないかと、そう解釈しました。
そう、全てを伝える必要って多分ないんですよ。伝えたいと思ったらあれもこれもと魅力となるものを詰め込みたくなってしまいますが、伝えたいことを絞るってことも大事なんだなと、改めて感じました。
「できない理由」ではなくて、『できる理由』を探す
本書の中で個人的に最も血となり肉となる部分だと思ったのがこの言葉。そして、高田氏がジャパネットたかたをここまで大きくできた理由のひとつはこれだったんだなあと感じた部分です。
できない理由を探せばいくらでもあるんですよ。でも、私はできない理由ではなくて、できる理由を探そうと考えました。そして、やれることやできることを考えて、(中略)一生懸命にやっていると、できることが見えてきたんです。
できないと思ったら、やっぱりそこで可能性の芽を潰してしまうんですよね。できる理由を探すことは、できない理由を探すことに比べると簡単ではありません。
でも、何かを為そうとするならば、前向きにチャレンジを続けることが大事です。当たり前だけど。
すべてが成功するのが理想ではありますが、すべてが成功するとは限らない。そこで諦めてしまうのかそれとも、失敗を修正しつつ次につなげようとするのか。
当たり前のようで積み重ねていくのは難しい。だけどそれをできる人こそ自分が思い描く良い結果を得やすいのではないかと考えます。
ヒント。生産性を高めること
本書の中では仕事の取り組み方においても直接的ではありませんが生産性をあげるべきだということが述べられています。ちょうど本書を読む前に読んでいた本が生産性に関する本だったため、生産性を高めるということは誰しもが通るべき道で、生産性を高めることができれば結果として良い結果を得やすいように思います。
本書を読み終えての書感
高田氏の語り口調で書かれている本書を読んでいる最中はずっとあの特徴的な声で文章が再生されているような感覚で、スッキリと読むことができました。
難しいことは書かれていませんが、相応の気づきを得ることができます。
僕は佐世保にいた4年間のうち最後の半年間ほど、ジャパネットたかたにお世話になったこともあり、直接何度かお会いすることがあったためか、本書は高田氏の人柄そのものを表しているようで、素直に読み終えることができました。
高田氏はテレビで見るイメージそのままの人で、本書も高田氏そのままだと思います。
学ぶべきものが学べたと感じます。というわけで、自分が思い描く理想を実現するために、目標を持ち、その目標を達成するためのできる理由を考え、実行し、今を一生懸命に生きていきたいと改めて思いました。